こんにちは、クラウドエンジニアのヤンです。今日は、AWSのロードバランサーであるALB(Application Load Balancer)とELB(Classic Load Balancer)について語りたいと思います。まず、ロードバランサーとは何かを理解するために、簡単に説明します。ロードバランサーは、インターネットトラフィックを複数のサーバーに分散させることで、サーバーの負荷を均一化し、パフォーマンスを向上させる役割を果たします。これにより、一部のサーバーが過負荷になることを防ぎ、全体のシステムの可用性と耐障害性を維持します。AWSでは、このロードバランサーとしてELBとALBを提供しています。それぞれの特徴と適用シーンについて見ていきましょう。ELB(Classic Load Balancer)は、AWSの最初のロードバランサーで、主にEC2インスタンスへのトラフィック分散に使用されます。ELBは、トラフィックを複数のEC2インスタンスに均等に分散することが可能です。しかし、ELBはレイヤー4(トランスポート層)までのロードバランシングしかサポートしていません。これは、IPアドレスとポート番号のみを基にトラフィックをルーティングすることを意味します。一方、ALB(Application Load Balancer)は、ELBの後継として登場したロードバランサーで、レイヤー7(アプリケーション層)までのロードバランシングをサポートしています。これにより、URLのパスやヘッダー情報を基にトラフィックをルーティングすることが可能になりました。また、ALBはマイクロサービスやコンテナベースのアーキテクチャに対応しており、動的なポートマッピングをサポートしています。これらの特性から、ELBはシンプルな負荷分散が必要な場合やレガシーシステムでの使用に適しています。一方、ALBはHTTP/HTTPSベースのアプリケーション、特にマイクロサービスやコンテナベースのアーキテクチャに最適です。最後に、コスト面についても触れておきます。基本的にALBの方がELBよりもコストが高くなりますが、その理由は上記のような高度な機能を提供しているからです。しかし、その価格差は使用状況やトラフィック量によりますので、必要な機能と予算を考慮に入れて適切なロードバランサーを選択することが重要です。以上が、ALBとELBの基本的な違いと選択のポイントです。どちらを選択するかは、システムの要件と目的によります。AWSのロードバランサーを選択する際の参考になれば幸いです。
ALBとELB
AWSのロードバランサーの比較と選択
16 6月, 2023
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